相続税の控除の種類
未払医療費
死亡後に支払った医療費は相続財産から控除されます。また、準確定申告をする際には医療費控除の対象にはなりません。
- 相続税の申告
死亡後に支払った医療費については、相続税の計算上、債務控除の対象となります。
- 相続人の所得税の確定申告
死亡後に支払った被相続人の医療費は、その金額を負担した(その債務を相続した)相続人の確定申告での医療費控除の対象になります。例えば、同居する家にあった被相続人の現金から入院費を支払った場合、家にあった現金は相続財産になりますので、その相続財産を取得する人が入院費を支払ったことになり、支払った人の確定申告の際に医療費控除の対象とすることができます。
- 準確定申告
死亡後に支払った被相続人の医療費は、被相続人の医療費控除の対象にはなりません。
障害者控除・未成年者控除
障害者、未成年者については、各人の相続税から次の計算方法で障害者・未成年者控除を求め、それぞれの相続税額から控除できます。
- 障害者控除
相続人に障害者がいる場合、85歳に達するまでの年数につき10万円が障害者控除として相続税額から控除されます。また、特別障害者の場合、1年につき20万円の控除が認められています。
- 未成年者控除
相続人に未成年がいる場合、20歳に達するまでの年数につき10万円が未成年者控除として相続税額から控除されます。
例えば、5歳2ヵ月なら20歳まで14年10か月ありますので、15年となります。(端数切り上げ・障害者控除も同様)したがって、15年×10万円=150万円の税金控除ができることになります。
配偶者の税額軽減
相続税を計算するとき、配偶者には「配偶者に対する相続税額の軽減」という特例があります。配偶者の相続分が法定相続分(または1億6000万円のどちらか多い方の金額)以下である場合には、配偶者に相続税はかかりません。
計算式は下記の通りです。
上記で計算された配偶者の税額軽減額を、配偶者の相続税額から差し引くことができます。
相続財産から差し引かれるもの
債務
いろいろな種類の債務がありますが、相続財産から控除される債務は、相続開始日において確実であるものに限られます。なお、支払わなければならないことが確定しているものについては、必ずしも書面での証拠が必要となるわけではありません。
- ①公租公課(税金)
相続開始日において未払いのものの他に、準確定申告の際に納付する種類の所得税も含まれます。固定資産税、都道府県民税、市町村民等は納税義務が確定する日(固定資産税の場合はその年の1月1日)が債務の確定日になりますので、それ以降に相続が発生し、なおかつ相続開始日現在でそれらの税金が未払いの場合、その金額が控除されます。なお、公租公課のうち相続人の責めによる種類の滞納税等は控除対象にならないので注意してください。 - ②銀行借入金・借入金
被相続人本人が借入をしている種類のものは控除対象となりますが、保証債務(何らかの契約で保証人になっているもの)や連帯債務(複数の債務者で同一の借金等を背負うこと)については取扱いが異なるので注意してください。
保証債務については、主たる債務者が弁済不能であるために債務を履行し、かつ主たる債務者からその金額を回収できる見込みがない種類のとき、または連帯債務については、負担すべき金額が明らかになっている部分について相続財産から控除することができます。 - ③未払金
- ④買掛金
葬式費
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